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【実務担当者向け】公益法人「事業計画書等」が変わった! 制度改正のポイントを整理します
2026.02.09
【実務担当者向け】公益法人「事業計画書等」が変わった! 制度改正のポイントを整理します
法令・制度改正
令和6年の公益法人制度改正により、令和7年4月1日以降に提出する「定期提出書類」の内容が見直されましたが、この記事では、そのうち「事業計画書等」の変更点について解説いたします。
すでに実務をされている方にとっては、
・「結局、何が増えたのか?」
・「どの書類を、いつ、どう直せばいいのか?」
・「今まで作っていたものは使えるのか?」
といった点が一番気になるところだと思います。
今回は、新旧比較を軸に全体像を整理しつつ、特に影響の大きい
収支予算書と事業の内容について、実務目線で解説します。
目次
1. 提出書類の新旧比較・変更点(全体像)
まずは、「事業計画等」に含まれる提出書類を整理します。
新制度における「事業計画等」の構成
① 事業計画書
② 収支予算書
(※令和6年会計基準へ移行する事業年度の場合、様式見直しを検討
③ 資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類
④ 事業の内容
(公益目的事業の種類及び内容/収益事業等の内容)
⑤ 理事会等の承認を証する書類
この中で、実質的な「新顔」が④です。
※旧制度の「事業報告等に係る定期提出書類」── 別紙3「法人の事業について」が、今回 「事業計画等」側に移動しました。
2. ③収支予算書 ― 令和6年会計基準を採用した場合の考え方
公益法人では従来から収支予算書の作成・提出が必要でした。
ただし、令和6年会計基準へ移行する事業年度では、
「どの様式で作ればいいのか?」
という点を、あらためて整理する必要があります。
結論:決まった様式はありません
収支予算書には統一様式はありません。
ポイントは、
公益法人認定法施行規則 第48条第1項~第5項の要件を満たしているかどうかです。
規則第48条(第1項~第5項)の要点(要約)
実務上、最低限押さえておきたいのは次の5点です。
1.区分表示が必要
◯経常収益
◯事業費
◯管理費
◯経常外収益
◯経常外費用
2.事業費は区分表示
◯公益目的事業に係る額
◯収益事業等に係る額
3.収益・経常外項目は公益分を明示
◯経常収益
◯経常外収益
◯経常外費用
4.経常外収益・費用は内容が分かる名称でOK
5.すべての項目に、内容を示す適切な名称を付すこと
つまり、「令和6年会計基準ベースの予算書」を作る場合でも、
この5点を満たしていれば形式は自由、という整理になります。
3. ④「事業の内容」― 今回の制度改正で一番の変更点
今回の改正で、実務に一番影響があるのがこの部分です。
(1)位置づけの変更(ここが重要)
旧制度(改正前)
・「事業の内容等」は事業報告等の定期提出書類の一部として提出
(別紙3「法人の事業について」)
新制度(改正後)
・「事業の内容等」は事業計画等の定期提出書類の一部として提出
つまり…
これまで「事業年度終了後」に提出していたものを
今後は「事業年度開始前」に提出することになります。
この「提出タイミングの前倒し」が、要注意ポイントです。

(2)記載項目と様式の考え方
記載内容そのものは、まったく新しいものではありません。
・ベースになるのは
公益認定申請書「別紙2 法人の事業について」
ただし、今回の認定法改正に伴い、公益認定申請書の様式自体も改訂されています。
過去の様式をそのまま流用するのではなく、最新の様式構成を前提に整理し直す必要があります。

(3)提出様式は「3パターン」
「事業の内容」の提出様式は、
法人の状況に応じて3つのパターンに分かれます。
・ケース①:既存法人(継続)
・ケース②:新設・再編等を伴う場合
・ケース③:事業内容に変更がある場合
※実務では、この部分を図で整理しておくと、
理事会・内部説明がかなり楽になります。

4. ⑤ 理事会等の承認を証する書類も忘れずに
「事業計画等」は、理事会等の承認を経たものであることが前提です。
・事業計画書
・収支予算書
・資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類
・事業の内容
これらが一体として承認されていることが分かる資料
(議事録、承認書等)を、あらためて整理しておきましょう。
5. まとめ:実務対応のポイント
最後に、実務担当者向けに要点だけまとめます。
・「事業の内容」が事業計画側へ移動
・提出時期が「事業年度開始前」に変更
・収支予算書は様式自由(規則48条を満たせばOK)
・令和6年会計基準移行法人は、予算書様式を一度整理すると安心
・「今まで出していたから大丈夫」は要注意
制度改正自体は静かですが、準備のタイミングと整理の仕方で、現場負担は大きく変わります。
「早めに全体像を押さえて、今年の事業計画から慣らしていくことをお勧めします。







