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    事業の変更手続きはどうなる? 「変更認定」と「変更届出」の境界線が公益法人の未来を左右する

2025.12.15
事業の変更手続きはどうなる? 「変更認定」と「変更届出」の境界線が公益法人の未来を左右する

法令・制度改正

公益法人、一般法人の役員および職員の皆様、日々の事業運営、お疲れ様です。社会の変化に迅速に対応し、公益目的事業を拡大していく上で、事業内容の変更は避けて通れない経営判断です。

しかし、これまでの公益法人制度では、「事業を変更したい」と思ったとき、「これは行政庁の変更認定(事前申請)が必要なのか? それとも届出(事後報告)で済むのか?」という判断に迷い、結果として手続きに時間を要し、せっかくの事業機会を逃してしまう、という課題がありました 。

2025年(令和7年)に施行された改正法では、この長年の課題に終止符を打ち、行政手続を大幅に簡素化しています 。本稿では、何が「認定」のまま残り、何が「届出」に変わったのか、その新しい境界線と、変化を活かすための実務上のポイントを解説します。

    1. なぜ事業変更の手続きは簡素化されたのか?

    今回の制度改革の目的は、「民間公益活動の活性化」です 。
    従来の制度では、事業内容の変更が、公益性の判断に実質的な影響を与えない場合であっても、「変更認定」が必要な場合が多く、これには行政庁による審査期間(一定の期間)を要しました。この事前審査が、公益法人の迅速な事業展開の阻害要因となっていたのです 。 そこで、今回の改正にあたり、「公益目的事業に該当するかどうかの判断に影響の少ない変更は、届出化」するという方針が示されました 。これにより、法人が自律的な経営判断に基づき、スピーディに事業を展開できるようになることが期待されています 。

    「変更認定」(事前承認)と「変更届出」(事後報告)の区分は、「その変更が、法人の公益性に実質的に大きな影響を与えるか否か」という観点で明確化されました 。


    2. 「変更認定(事前申請)」が必要な、重大な変更事項

    事業の変更手続きのうち、引き続き行政庁の事前審査(変更認定)が必要となるのは、法人の根幹や、公益性の判断に実質的に影響を与える以下のケースです。

    変更認定が必要なケース:

    ①所管行政庁の変更を伴う、事業実施区域や事務所所在地の変更
    具体例 :
    定款に定める公益目的事業の実施区域を、「一の都道府県内」から「二以上の都道府県(全国規模)」へと変更する場合(都道府県知事所管から内閣総理大臣所管への変更) 。または、その逆の変更を行う場合です。
    ポイント :
    法人の活動範囲や規模が行政庁の監督範囲をまたぐ場合、引き続き事前認定が必要です。行政庁の変更を伴わない、同一都道府県内での事務所所在地(従たる事務所の新設・廃止を含む)の変更は「届出」で済みます 。

    ②公益目的事業の「種類」または「内容」の実質的な変更
    具体例 :
    新しい種類の公益目的事業を大幅に追加する場合や、既存の公益目的事業の内容を根本的に変更する場合など、「公益事業該当性」の判断が新たに必要となるような変更です 。
    ポイント :
    事業の根幹をなす「公益」の性質が変わる可能性があれば、これは事前の審査(認定)が必要になります。

    変更認定を受けずにこれらの変更を行った場合、罰則が適用される可能性があるため、重大な事項については必ず事前に確認が必要です 。


    3. 経営のスピードを加速させる!「変更届出(事後報告)」で済むケース

    今回の改革の最大のメリットは、以下の通り、多くの事業変更が「変更届出(事後報告)」で済むようになった点です 。

    (1) 収益事業等の変更はすべて「届出」に
    最も大きな変更点の一つが、収益事業等(収益事業またはその他事業)の内容の変更です。

    改正前 : 収益事業等の内容の変更は、従来「認定事項」とされ、事前認定が必要でした 。
    改正後 : 収益事業等の新設、変更、廃止のすべてが「届出事項」となります 。

    実務上のメリット : 
    公益事業の財源を確保するための収益事業を、より機動的に立ち上げたり、市場の変化に合わせて事業内容を迅速に変更したりすることが可能になります。これにより、法人は事業間の資金繰りや戦略的な判断を、行政手続きに煩わされることなく進められます。

    (2) 公益目的事業の「軽微な変更」は「届出」に
    公益目的事業の内容を変更する場合でも、その変更が「軽微な変更」に該当すれば「届出」で対応できます 。
    この「軽微な変更」には、実務担当者にとって特に有益な以下のケースが含まれています。

    事業の一部廃止 :
    公益目的事業が複数ある場合や、一つの事業が細分化されている場合に、その一部を廃止(削除)する場合。
     ・ 具体例 公1~公3のうち公2の削除 

    事業の再編・統合 :
    事業の統合、再編、承継などで、変更後の事業が引き続き公益目的事業に該当することが明らかな場合。
     ・ 具体例 公1~公3の内訳事業を再編して新公1、新公2への再編

    形式的な修正 :
    申請書に記載されている事項の変更であっても、字句の訂正や固有名詞の修正など、公益目的事業の内容に実質的な影響を与えないことが明らかなもの

    タイミングの注意 :
    することが求められます 。この「遅滞なく」とは、登記手続きなど、合理的な理由による遅滞を除き、速やかに、という意味です 。


    4. 満喜株式会社からの提言 : 法改正を活かす実務戦略

    今回の制度改革は、公益法人に「自由」と「スピード」をもたらしますが、同時に「事後的な説明責任」を一層強く求めます 。

    特に、事業変更が「届出」で済むようになったということは、行政庁の事前チェックがなくなった分、法人の内部統制と情報管理の重要性が増したことを意味します。

    実務担当者が今すべきこと:
    1.内部承認プロセスの見直し: 「認定」から「届出」に変わった事業変更については、  行政手続きは事後で済みますが、法人の理事会(または評議員会)における意思決定プ  ロセスは従来以上に迅速かつ厳格に行う必要があります。

    2.「届出」への迅速な対応体制の構築: 変更を行った後「遅滞なく」届出を完了するため  には、変更を決定した後、必要な添付書類をすぐに準備できる体制が必要です 。例え  ば、収益事業の内容を変更した場合、関連する定款変更(名称や事業目的の変更を伴わ  ないもの)も遅滞なく届け出なければなりません 。

    3.会計システムの適合性の確認: 新規に収益事業や公益事業の一部を追加・廃止した場   合、使用している会計システムが新しい事業区分や会計区分に柔軟に対応し、正確に経
    理処理できることが、後の事業報告で混乱を招かないための鍵となります。


    参考文献:公益認定等ガイドライン第四章


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