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    令和6年基準・関連当事者の範囲拡大~「従業員の近親者」どこまで調べる? 実務の落としどころ~

2026.03.16
令和6年基準・関連当事者の範囲拡大~「従業員の近親者」どこまで調べる? 実務の落としどころ~

会計・税務

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令和7年4月から施行された「令和6年公益法人会計基準」。大きな改正となり、「具体的に何をどこまでやればいいの?」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

今回は、実務上の大きなハードルと言われている「関連当事者の範囲拡大」、特に「従業員の近親者」への向き合い方について解説します。

    1. 何が変わったの?

    これまでの基準では、関連当事者といえば「役員」や「評議員」などが中心でした。令和6年基準からはその範囲が広がり、「当該公益法人の従業員およびその近親者」も含まれることになりました。


    2. なぜ範囲が広がったの?

    一言で言えば、「法人の透明性をより高めるため」です。 「役員ではないけれど、実質的に取引に影響を与えられる立場の人」や、その「家族(近親者)」との間で、不自然な取引(利益相反)が起きていないかを確認できるようにしよう、という趣旨です。


    3. 「従業員の近親者の存在」ってどう証明するの?

    経理担当者として真っ先に感じる不安は、「全従業員の家族の勤務先なんて、把握しきれない!」ということですよね。
    例えば!
          「取引先の担当者が、たまたま職員の配偶者だったら?」
          「運用している債権の発行体に、職員の親族がいたら?」


    これらを網羅的に調査し、「関連当事者は一人もいません」と断言するのは、実務上かなりハードルが高いものです。

    ここで大切な考え方は、「完璧な証明」は求められていないということ
    実務上は、「法人として合理的に把握し得る範囲」で対応すればよいと解釈するのが妥当です。「存在しないことの証明(悪魔の証明)」を求めるものではなく、法人として適切な手順を踏んでいるかどうかが問われます。


    4. 今日からできる!2つの実務的アプローチ

    2つの実務的アプローチのステップを検討してみましょう。

    ・STEP1: 従業員への「確認書(誓約書)」の取得
    年に1回、全従業員に対してアンケート形式の書面を提出してもらう方法はいかがでしょうか。書面を提出頂くことが実務的にもスムーズです。
    例えば
          「私の近親者が、法人の主要な取引先や運用先に該当する場合は報告します」
          「現時点では該当しません」


    などといった内容に署名をもらうことで、法人としての確認義務を果たしている「証跡(エビデンス)」になります。

    ・STEP2: 「リスクの高い部署」への重点的な確認
    全ての職員を同じ熱量で調査するのは大変です。取引の決定権がある部署に絞って手厚く確認する「メリハリ(リスクベースアプローチ)」も実務的にはスムーズ、かつ有効な手段です。
    例えば
          「調達・運用・投資などを担当する部署の職員には、より丁寧なヒアリングを行う。」

    ことで、効率的かつ効果的にリスクを管理でき、外部に対しても「合理的な確認を行っている」と説明しやすくなります。


    5. まとめ:まずは「仕組みづくり」から

    令和6年基準への対応は、最初から100点満点を目指して疲弊する必要はありません。

          1.「誰が関連当事者になるか」を整理する
          2.「確認書」などの内部ルールを作る
          3.その証拠(エビデンス)を保管しておく

    この3ステップを確実に踏むことが、令和6年基準への対応の第一歩となります。まずは、法人の実情に合わせた「確認書」の準備から始めてみてはいかがでしょうか。


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