ヒューマンライズ Labo
- TOP >
- ヒューマンライズ Labo >
- 【実務担当者必見】令和7年の公益法人制度改革で求められるガバナンスの新基準
【実務担当者必見】令和7年の公益法人制度改革で求められるガバナンスの新基準
法令・制度改正
令和7年(2025年)4月から施行される公益法人制度改革により、公益法人のガバナンスおよび透明性が大幅に強化されます。この改革は、公益法人の信頼性向上と公益活動の効果的な推進を目的としており、外部人材の登用義務化や監事の独立性確保など、さまざまな重要な変更が導入されます。今回は、その主なポイントについて詳しく解説します。
目次
- 1. 外部人材の登用義務化で新たな視点を導入
- 2. 理事と監事の関係性の明確化で独立性を強化
- 3. 事業報告書の見直しで透明性をさらに向上
- 4. 公益法人が今から準備すべきこと
- 5. まとめ
1. 外部人材の登用義務化で新たな視点を導入
改革内容
公益法人が認定を受けるための基準として、理事・監事の少なくとも1人が法人外部の人材であることが義務付けられます
外部人材の定義
●過去10年間に該当法人の理事、監事、従業員等を務めていない者
●外部専門家や第三者としての独立性を保つ人材
期待される効果
●客観的視点の導入 :法人運営に外部からの新しい意見や専門知識が反映され、意思決定の質が向上
●透明性の確保 :組織外からのチェック機能を強化し、社会からの信頼を高める
この改正により、公益法人は多様な視点を取り入れる体制を整え、運営の透明性を一層向上させることが期待されます。
2. 理事と監事の関係性の明確化で独立性を強化
改革内容
理事が監事と特別の利害関係を持たないことが新たな基準として規定されます。
目的
●監事の独立性確保 :監督機能が十分に発揮されるようにする
●利害関係の排除 :意思決定過程の公正性を担保
具体例
●理事と監事が近親者関係にある場合
●同一企業の役員を兼務している場合
期待される効果
●健全なガバナンス体制 :理事会の意思決定に対して、監事が客観的かつ独立した視点から監督を行う
●緊張関係の維持 :ガバナンスの実効性を高めるための適切なチェックアンドバランスを確保
この改正は、公益法人の監督機能をより強固なものとし、運営体制の信頼性を高めます。
3. 事業報告書の見直しで透明性をさらに向上
改革内容
公益法人は事業報告書にガバナンス強化の取り組みを記載することが義務付けられます。
記載内容の例
●外部人材の登用状況
●ガバナンス向上に向けた具体的な施策
●社会的影響や透明性向上のための取り組み
これにより、ステークホルダーへの情報開示が進み、法人運営の透明性がさらに高まります。
4. 公益法人が今から準備すべきこと
この制度改革を迎えるにあたり、公益法人は以下の準備を進める必要があります
●理事会・監事構成の見直し :従外部人材の登用計画を立案
●外部人材の選定基準を明確化 :独立性と専門性を兼ね備えた人材を確保
●内部規程の整備 :ガバナンス強化を目的とした新たな規程の策定
●報告書の内容充実:事業報告書に記載する内容を再検討し、具体的な施策を反映
5. まとめ
令和7年4月から施行される公益法人制度改革は、公益法人の運営透明性と信頼性を向上させる大きな一歩です。外部人材の導入や監事の独立性確保といった改革は、法人が社会的責務を果たし、より効果的に公益活動を展開するための土台となります。この変化を前向きに捉え、適切な準備を進めることで、法人としての価値をさらに高めることができるでしょう。