販売パートナー希望の企業様はこちら

公益法人に特化
会計・給与計算システム

ヒューマンライズ Labo

「研究会」便り 第6回

「研究会」便り

◆「研究会」とは?
 ソフトウェア業界の最新の動向や技術に関すること、公益法人をはじめとする非営利分野の会計を含む制度に関する調査、研究を行い、ソフトウェア開発に活かすために満喜株式会社内に設けた組織です。
 今後、『「研究会」便り』では弊社のソフトウェアに関すること、制度に関することなど、私見が入ることもあるかと思いますが、情報発信していきます。

    1. 第6回 会計基準改正の方向性について ①貸借対照表における資産の区分

    「令和5年度 公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」(以下、報告書)(令和6年5月27日内閣府公益認定等委員会「公益法人の会計に関する研究会」)の中で「公益法人会計特有の考え方の整理・見直し」として次のように説明されています。

    平成 20 年会計基準における、公益法人制度及び公益法人会計特有の考え方に基づく事項について、「本表は簡素でわかりやすく、詳細情報は注記等で」という考え方に立って、本表において表示するもの、注記等において開示するもの、考え方自体を見直すもの等の整理を行うこととしています。

    今回は、そのうち「貸借対照表における資産の区分(基本財産、特定資産)」について見ていきます。

     報告書では【固定資産における基本財産及び特定資産の区分】について次のように示されています。
    「現行の貸借対照表については、公益法人が基本財産や特定資産を保有する場合には、固定資産を基本財産、特定資産及びその他固定資産に区分するとされており、この区分は公益法人会計特有の考え方である。しかしながら、基本財産及び特定資産の区分には、流動資産としての性質を有する資産(普通預金等)が含まれることがあり、現行の区分方法は、資産の状況について必ずしもわかりやすいものとなっていない。このため、「本表は簡素でわかりやすく、詳細情報は注記等で」の考え方により、本表においては資産の形態に基づく流動固定区分(流動資産・固定資産)とし、基本財産・特定資産の区分については必要に応じ注記で開示する方向で整理することとする。」
    このように従来の区分から大きな転換が示されました。

    では、注記においては、どのような取扱いを想定しているかを見てみましょう。

    まず、【資産及び負債の状況】について
    「現行の財産目録に相当する情報を提供するものであり、別表とせず注記に含めることで、財務諸表の体系の中で必要な情報を開示し、他の情報と容易に参照可能なことから、情報利用の利便性が増すものと考えられる。使途拘束資産に該当する資産については、当該注記において表示することを想定している。当該注記に関連して、「基本財産」及び「特定資産」の取扱いについて検討が行われた。現行の公益法人会計で使用されている「基本財産」については、一般法人法 17(第 172 条第2項)に基づき公益法人の定款で定められるものであることから、その多くは使途拘束資産に該当すると考えられるが、これに該当しない基本財産がある場合は、当該注記で表示することが適当である。一方、「特定資産」の取扱いについては、注記で使途拘束資産である旨が記載されるならば「特定資産」という区分は不要ではないかとの意見もあったが、退職給付引当資産のように公益法人が任意に使途を設定した使途拘束資産に該当しない資産について、使途の定めのない資産と区別するために「特定資産」と記載することを妨げるものではないとの結論を得た。」
    最後に記載を妨げるものではないと任意性が示されていますが、日常の支払いに充てることができる支払資金の額を把握するためには「特定資産」を区別して記載し、これまで流動資産・現金預金として計上されていた金額を把握できるようにすることが管理運用上、有意義であると考えます。

    また、【使途拘束資産の内訳と増減額及び残高】 について次のように記載されています。
    「貸借対照表における資産の形態に基づく流動固定分類表示を補完するための情報であり、法令に基づく控除対象財産としての位置付けを有する、内部資金の積立て又は外部の資金提供者により使途を指定された資源により得た資産(使途拘束資産)の内訳を示す注記である。」
    これまで貸借対照表上、基本財産及び特定資産として示されていたものは、その情報は注記の複数の項目により明らかにする形にになっています。さらに、従来からある「基本財産及び特定資産の増減額及びその残高」「基本財産及び特定資産の財源等の内訳」これらについても流動・固定分類の変更の影響を受け、今後、何らかの見直しがあるものと予想されています。

東京本社 03(5829)5682 大阪支店 06(6390)3777 九州支店 092(292)0681 9:00~18:00(土・日・祝日・年末年始を除く)

公益法人
会計システム

お問い合わせ