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「研究会」便り 第4回
「研究会」だより
◆「研究会」とは?
ソフトウェア業界の最新の動向や技術に関すること、公益法人をはじめとする非営利分野の会計を含む制度に関する調査、研究を行い、ソフトウェア開発に活かすために満喜株式会社内に設けた組織です。
今後、『「研究会」便り』では弊社のソフトウェアに関すること、制度に関することなど、私見が入ることもあるかと思いますが、情報発信していきます。
1. 第4回 「令和5年度公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」の公表
「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律案」及び「公益信託に関する法律案」が4月に参議院、5月に衆議院において可決、成立しています。今後、令和7年度の改正法施行に向けてさらに法令の整備、ガイドライン等の見直し作業が進められていくものと思います。
この法改正と並行して、公益法人会計基準の見直し作業が進められており、令和6年5月27日内閣府公益認定等委員会「公益法人の会計に関する研究会」より「令和5年度 公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」と題して報告書が公表されました。その報告書では、今回の会計基準見直しの意義やこれまでに議論されてきた方向性や財務諸表及び注記のイメージなどが記載されています。
今回の「研究会」便りでは、簡単にその概要をご紹介させていただきます。
〇見直しの必要性・意義
法改正を受けて会計基準はこれに対応するものである必要がある。
・財務規律の柔軟化・明確化→財務諸表における情報開示を充実
・区分経理の原則化→区分経理を基礎とした公益目的取得財産残額の把握方法の簡素化
・定期提出書類を簡素化→代替機能としての注記、附属明細書の拡充
〇具体的な見直しの方向性
本表は簡素でわかりやすく、詳細情報は注記等で開示
●貸借対照表
・資産は流動資産・固定資産の区分を表示し、基本財産・特定資産は必要に応じ注記で区分
・会計区分別内訳は注記において作成
・使途拘束資産(従来の控除対象財産)や一般純資産・指定純資産の区分情報を注記に記載
●活動計算書(正味財産増減計算書から変更)
・本表では一般純資産・指定純資産を区分せず、純資産全体の増減計算で表す
・費用科目は形態別分類(給料手当、旅費交通費、消耗品費・・・・・・等々)から活動別分類
公1事業費、収益事業費、管理費等)での表示に変更
・内訳表は注記事項に変更
●注記・附属明細書の拡充項目
・貸借対照表関係
会計区分別内訳、資産及び負債の状況(財産目録と同等)、使途拘束資産の内訳
・活動計算書関係
財源区分別内訳(一般純資産と指定純資産を並列表示、これまでの指定から一般への振替は行わない)
一般純資産の会計・事業区分別内訳(現行の正味財産増減計算書内訳表に相当)
指定純資産の内訳、控除対象財産(6号財産)の発生年度別残高等
事業費・管理費の形態別区分(現行の定期提出書類別表F,Gの代替)
●未検討事項
財務規律適合性に関する現行の定期提出書類別表の代替情報(残り)
小規模法人の負担軽減
新基準への移行手続き 等
令和6年度において、未検討事項を含め、さらに検討を進め新会計基準が策定される見込みとなっています。