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決算書が変わる!注記と附属明細書の新ルール
会計・税務
会計基準改正最新動向
令和7年から適用される新しい会計基準により、公益法人の財務諸表に付随する「注記」や「附属明細書」の内容が見直され、より重要な役割を果たすことになります。本記事では、この改正でどのように注記と附属明細書が変わるのか、その概要を解説します。
目次
- 1. 注記の役割と重要性
- 2. 新たな注記事項の内容
- 3. 附属明細書の拡充
- 4. 実務面での対応ポイント
- 5. まとめ
1. 注記の役割と重要性
注記とは何か?
注記は、財務諸表の本体では示しきれない詳細な情報を補足するもので、財務情報を利用する人が法人の財務状況や活動内容を深く理解するために不可欠です。今回の基準改正により、注記の充実が一層求められます。
主な役割
⚫️財務諸表における資産や負債の詳細な内訳や評価方法を示す。
⚫️法人の会計方針やその変更点について説明することで、情報の一貫性を保つ。
2. 新たな注記事項の内容
会計方針と変更の説明
⚫️会計方針 : 採用している具体的な会計基準や、特定の会計処理について説明。
⚫️変更点 : 会計方針の変更があった際は、その理由と影響を記載することが求められます。
資産・負債の詳細な開示
⚫️流動資産・固定資産 : 資産項目ごとの内訳や評価基準について注記で示します。
⚫️負債 : 短期および長期負債の内訳や返済スケジュールも明記されます。
指定純資産と使途拘束資産
⚫️指定純資産 : 寄附者などから特定の使途が制限された資産について、内訳を開示。
⚫️使途拘束資産 : 資産の用途や制約内容を詳細に記載します。
3. 附属明細書の拡充
財務規律の詳細開示
附属明細書は、財務状況を補完し、法人の事業活動ごとの詳細な情報を提供するために使用されます。新基準では次のような情報の開示が求められます
⚫️中期的収支均衡の見通し : 財務状況の持続性や今後の計画。
⚫️公益目的事業比率 : 各事業の収支内訳を細かく開示。
事業活動別の収支明細
公益目的事業、収益事業、法人運営活動など、事業ごとに収支を詳細に示す必要があります。
4. 実務面での対応ポイント
1. データ管理と整理
新基準では、財務データを整理し、必要な情報を迅速に抽出できる体制を整えることが重要です。
2. 組織内の連携
注記や附属明細書を作成するためには、会計担当者と各部門の協力が不可欠です。部門間での
情報共有を強化することが求められます。
3. システムの見直し
会計システムが新しい注記や附属明細書の作成に対応しているか確認し、必要であればアップデートを
行います。
5. まとめ
令和7年の新会計基準では、注記や附属明細書がこれまで以上に詳細な情報開示を求められることになります。公益法人は、この新基準への対応に向けて、情報管理の体制を見直し、必要な準備を進めることが求められます。適切な対応により、財務報告の正確性を保ち、透明性を確保することが重要です。