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摘要の付け方で迷わない:監査で訊かれる“説明できる記録”の付け方
2025.10.06
摘要の付け方で迷わない:監査で訊かれる“説明できる記録”の付け方
読者の声・Q&A
「摘要欄に何を書けばいいのか分からない」──これは過去のサポート報告でも繰り返し寄せられてきた質問です。
摘要は会計システム上では“自由入力”や“摘要登録”で扱える項目ですが、実際には監査・行政報告で『なぜこの仕訳を切ったのか』を説明する根拠になります。
今回は、実際に寄せられたお客様の声を交えながら、監査で安心できる摘要の付け方を整理しました。
目次
1. 顧客の声①:「摘要に“振込”とだけ書いたけど、監査で“何の振込か?”と聞かれて困った」
解説
摘要は仕訳の背景を理解するための“ミニ説明書”です。
監査人は「何のための取引か」を確認したいので、内容+特定情報を簡潔に記載することが重要です。
良い摘要の例
⚫️「4月分会費」
⚫️「PC購入(領収書No.123)」
2. 顧客の声②:「摘要が人によってバラバラで、後から検索できない」
解説
摘要の書き方にばらつきがあると、過去取引を探すのが大変になります。
この声を受けて、次の3原則をルール化すると運用が安定します。
書き方の基本ルール(3原則)
1.相手先を記録する
◯継続して取引する相手は「関係者マスタ」に登録して管理
◯単発の取引や一度きりの支払先は「摘要欄」に直接記録
2.内容を簡潔に(例:会費、備品購入、補助金交付)
3.特定情報を添える(例:4月分、第1回セミナー、領収書No.123)
3. 顧客の声③:「摘要登録を使って統一したい」
解説
会計システムには摘要登録機能があります。
この機能を使えば、よく使う摘要を事前に登録し、仕訳入力時に呼び出すことができます。
利用メリット
⚫️入力の効率化:毎回手入力せずに呼び出し可能
⚫️表記の統一:人によるばらつきを防ぎ、検索・集計も容易
⚫️監査対応の強化:常に統一した摘要が入力されるため、記録の信頼性が高まる
登録方法(例)
1.トップメニュー>7 マスタ保守>2 摘要保守>1 摘要登録
2.登録年月日、会計番号、科目コード、摘要番号を選択しEnter
3.「摘要名」を入力(例:001 / 会費(〇〇年度))
4.保存すると、仕訳入力画面で呼び出せる
4. 実務で役立つ摘要テンプレート集(関係者欄を活用する前提)
⚫️会費収入:関係者=「〇〇法人」/摘要=「会費(R6年度)」
⚫️謝金支払:関係者=「△△氏」/摘要=「第1回セミナー講師謝金」
⚫️補助金収入:関係者=「▢▢県」/摘要=「R6年度補助金(内示No.12345)」
⚫️備品購入:関係者=「△△商事」/摘要=「ノートPC購入(領収書No.678)」
5. 監査人が注目するポイント
実際の監査では、次の点がチェックされます。
⚫️誰が見ても「取引の内容・時期」が分かるか
⚫️領収書や契約書などの補助資料と摘要が一致しているか
⚫️摘要登録を活用し、表記の統一ができているか
6. まとめ
摘要は「ちょっとしたメモ」ではなく、法人の説明責任を果たす証拠です。
最低限、「内容+特定情報」を意識すれば、監査で困ることはありません。
今日からできる実務アクション
⚫️部内で「摘要の書き方ルール」を共有する
⚫️よく使う取引は摘要登録にまとめて統一する
⚫️決算期前に入力チェックリストを配布する