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公益法人担当者必見!公益充実資金の定義と活用の仕組みを詳しく解説
会計・税務
「公益充実資金」という言葉をご存知でしょうか?この新しい制度は、非営利法人の財務管理に大きな変革をもたらします。本記事では、公益充実資金の概要とその重要性についてわかりやすく解説します。
目次
- 1. 公益充実資金とは?
- 2. 公益充実資金のメリット
- 3. 公益充実資金の積立と使用の手続き
- 4. まとめ
1. 公益充実資金とは?
公益充実資金は、従来の公益目的事業に係る「特定費用準備資金」と「資産取得資金」を統合した新しい制度です。簡単に言えば、法人が将来の公益活動のためにお金を貯める仕組みです。
特徴その1:柔軟な使途設定
この制度では、公益目事業の中で大枠で資金設定が可能です。また、事業単位をまたがる資金設定も可能となり、例えば、「高齢者支援事業」と「子育て支援事業」で別々に管理されていたものを「地域福祉向上事業」として一括で管理し複数の目的を持つ事業単位で柔軟な管理が実現できるようになりました。これにより、状況変化に応じた柔軟な対応が可能になります。
特徴その2:制限の緩和と変更の容易さ
従来の特定費用準備資金や資産取得資金は目的外に使用する場合は、それぞれ取り崩しをするための内部承認を得ないと他の用途には使えないという制限がかかっていました。一方、公益充実資金はこの制限が緩和され、より自由度の高い資金運用が可能になり、必要に応じて使途変更することができます。例えば、「高齢者支援事業」のために積み立てた資金を「子育て支援事業」に振り向けることもできます。これは家計の貯金を急な出費に合わせて使うようなものです。
2. 公益充実資金のメリット
従来と比較し自由度が高く積み立てることができる公益充実資金はどのようなメリットがあるのでしょうか?
・事業単位を超える資金融通が可能
細かな事業単位ではなく、「公1」「公2」といった大括りな事業単位で資金の融通が可能になります。
・新規事業のための積立などが容認
従来は認められていなかった、認定前の新規事業についての積立が認められ、既存事業を維持するために将来の収入や支出の変動に備えた積立や 将来の収入減少に備えた積立なども容認されています。ただし、将来の単なる備えの積立 (例えば繰越金や予備費等)は容認されていません。
※公益充実資金は公益目的関連の支出に限定され、収益事業会計等の特定費用準備資金・資産取得資金は名称も含め変更はありません。
3. 公益充実資金の積立と使用の手続き
・積立手続き
具体的な積立額や使用計画を明確にし、必要に応じてその都度修正をすることが求められます。積立額および使用の状況は、法人内で記録され適切に情報開示される必要があります。
・使用手続き
積立資産の使用目的や計画が変更される場合は、適切な理由とともにその内容を公表します。事業の性質に応じて柔軟に資金を移動や再配分が可能です。
これらは透明性と適切な管理を確保するためです。例えるなら、家族全員で使う特別な貯金箱を作る際のルールです。
4. まとめ
公益充実資金は非営利法人にとって柔軟で効果的な財務管理ツールです。この制度を活用することで、中長期的視点で事業計画立案や迅速な資源配分が可能になります。