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会計基準改正のポイント! その他有価証券評価差額金って何?
会計・税務
非営利法人の経理担当者・管理者の皆さん、こんにちは!令和7年(2025年)4月から施行される新公益法人会計基準における「その他有価証券評価差額金」について解説します。
目次
- 1. その他有価証券とは?
- 2. その他有価証券評価差額金の意味
- 3. 平成20年基準との違い
- 4. 会計処理の方法
- 5. まとめ
1. その他有価証券とは?
「その他有価証券」は、売買目的、支配目的、満期保有目的以外の有価証券を指します。
例えば、将来の資金需要に備えて保有している株式や債券が、これに該当します。
2. その他有価証券評価差額金の意味
これは、その他有価証券の帳簿価額と期末時価との差額を表す項目です。
例:1万円で購入した株式の期末時価が1万1千円の場合、差額の1千円が計上されます。
3. 平成20年基準との違い
平成20年基準では正味財産増減計算書に「基本財産評価損益等」「特定資産評価損益等」「投資有価証券評価損益等」として計上されていた評価差額(PL)が、新基準では純資産の部(BS)に直接計上されます。
4. 会計処理の方法
期末時:時価評価を行い、差額を純資産の部に計上
翌期首:洗替法を適用し、評価額を取得原価に戻す
具体的な仕訳例を見てみましょう:
例:取得価額10,000円の有価証券の期末時価が11,000円であった。翌期に12,000円で有価証券を売却した。
1.期末時(時価評価)
借方:投資有価証券(その他固定資産) 1,000円 / 貸方:その他有価証券評価差額金(純資産の部) 1,000円
2.翌期首(洗替法)
借方:その他有価証券評価差額金(純資産の部) 1,000円 / 貸方:投資有価証券(その他固定資産) 1,000円
3.売却時(売却損益の計上)
借方:現金預金(流動資産) 12,000円 / 貸方 投資有価証券 10,000円
貸方 投資有価証券売却益(その他収益) 2,000円
5. まとめ
非営利法人の経理担当者や管理者の皆さん、今回は令和6年(2025年)4月から施行される新しい公益法人会計基準における「その他有価証券評価差額金」について解説しました。
主なポイントは以下の通りです:
1. その他有価証券とは、売買目的、支配目的、満期保有目的以外の有価証券を指します。
2. その他有価証券評価差額金は、その他有価証券の帳簿価額と期末時価との差額を表します。
3. 平成20年基準では正味財産増減計算書(PL)に計上されていた評価差額が、新基準では純資産の部(BS)に直接計上されるようになります。
4. 期末時に時価評価を行い、翌期首に洗替法を適用します。
新基準への移行に向けて、自法人の有価証券の分類を再確認し、評価差額金の処理が適切に行われるよう準備を進めましょう。不明点があれば、専門家に相談することをおすすめします。公益法人会計の変更は複雑ですが、適切に対応することで、より透明性の高い財務報告が可能になります。この機会に、会計処理の見直しと改善を図りましょう。