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中期的収支均衡の判定方法とは?制度改正の背景と実務解説

法令・制度改正

公益法人の皆様、大きな変化に備えていますか?

2025年4月から始まる公益法人制度改革。この改革は、皆様の日々の業務に大きな影響を与える可能性があります。特に「中期的収支均衡」という新しい概念は、多くの公益法人にとって戸惑いの種となるかもしれません。しかし、適切に理解し対応すれば、むしろチャンスになる可能性を秘めています。

本記事では、この重要な変更について、経理担当者や管理者の皆様にもわかりやすく解説します。

    1. なぜ今、公益法人制度改革が必要なのか?


    2. 「民間公益の活性化」とは?

    「民間公益の活性化」という言葉をご存知でしょうか?これは、民間の公益法人がより活発に、柔軟に活動できるようにすることを意味します。

    現行制度では、公益法人の皆様が本来の力を十分に発揮できないという声が多く聞かれました。
    例えば:

     ●単年度での収支バランスを求められ、長期的な事業計画が立てにくい
     ●事業ごとの厳格な区分が求められ、柔軟な資金運用ができない

    こうした課題に対応するため、より使いやすい制度へと見直しが行われることになったのです。


    3. 中期的収支均衡とは?なぜ重要なの?

    「中期的収支均衡」とは、簡単に言えば「5年間で収入と支出のバランスを取る」ということです。

    例えば、ある公益法人が大規模な災害支援プロジェクトを計画しているとしましょう。現行制度では単年度での収支バランス(※)が求められるため、このような大型プロジェクトの実施は難しいかもしれません。しかし、新制度では5年間での収支バランスが認められるため、より柔軟な事業計画が可能になります。

    (※)現行制度では、剰余金を2年間で解消することが認められています。

    公益法人の安定性と信頼性を高める

    この新しい概念は、公益法人の安定性と信頼性を高めるために非常に重要です。長期的な視点で財務管理を行うことで、より戦略的な事業展開が可能になり、結果として公益活動の質の向上につながるのです。


    4. 新制度における中期的収支均衡の判定方法

    1. 判定期間:5年/間
    内閣府令で定められた5年間が判定期間です1。つまり、5年以内に剰余金(黒字)を使い切る計画を立てる必要があります。

    2. 判定のタイミング:毎事業年度終了後
    1年に1回、事業年度が終わるたびに判定を行います3。

    3. 判定の方法:2つのプロセス
    1.通常の算定プロセス
    2.特例算定プロセス

    どちらを使うかで計算方法が変わってきます。


    5. 通常の算定プロセスの4ステップ

    1.当該事業年度の収支(剰余額/欠損額)の算定
    2.過去の剰余額・欠損額との通算
    3.剰余額の解消策の検討
    4.残存剰余額等の算定

    これは、5年分の家計簿をつけるようなイメージです。収入と支出を確認し、過去の貯金や借金も考慮しながら、全体的な財務状況を把握します。


    6. 特例算定プロセスのポイント

     ●事業費以外の公益目的事業のための資金需要・供給を考慮
     ●公益目的保有財産(例:活動に必要な建物や設備)の取得・売却等を加味
     ●資金不足の場合、50%超の繰り入れが可能

    ただし、特例算定は欠損(赤字)が生じている場合のみ適用可能です。


    7. 行政庁への報告および情報開示 透明性の確保

    判定結果は行政庁に報告する必要があります。また、財務諸表等において、「財務規律適合性に関する情報」として開示することになります。これにより、公益法人の財務状況の透明性が高まります。

    (注)「会計監査人設置法人 ”以外” の法人」は、財務諸表等において「財務規律適合性に関する情報」を作成しないことができますが、その場合、「財務規律適合性に関する情報」は、従来どおり、「事業報告等に関する定期提出書類」において作成・報告することになります。


    8. まとめ:新制度への対応ポイント

    1.5年間の財務計画を立てる
    2.毎年の判定を忘れずに
    3.適切な算定プロセスを選択
    4.行政庁への報告および情報開示を確実に


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