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【実務解説】公益法人制度改革で行政手続が大幅簡素化 – 令和7年施行の新ルールとは
法令・制度改正
令和7年(2025年)4月から施行予定の公益法人制度改革により、行政手続が大幅に簡素化されます。この改革は、公益法人がより迅速に社会の変化に対応し、新規事業を開始できるよう支援することを目的としています。以下に、主な変更点を詳しくご紹介します。
目次
- 1. 行政手続の見直し
- 2. ガバナンスと透明性の強化
- 3. 実務負担の軽減
- 4. まとめ
1. 行政手続の見直し
変更認定から変更届出へ
これまでの「変更認定」が必要だった手続きが、「変更届出」で足りるようになります。これにより、公益法人は事業の変更をより迅速に行うことが可能になります。
●収益事業等の変更:
従来は「認定事項」だったものが、「届出事項」に変更されます。公益事業への影響が小さいと考えられる場合、従来よりも簡易な手続きで済むようになります[1][3]。
●公益事業の軽微な変更:
公益事業そのものへの影響が軽微であると考えられる変更(例:一部廃止、対象者の拡大等)についても「届出事項」で対応可能です[1]。
この見直しにより、公益法人はスピード感を持って事業を展開することができるようになります。
2. ガバナンスと透明性の強化
自律的なガバナンス体制の構築
行政手続が簡素化される一方で、公益法人には自律的なガバナンス体制の強化が求められます。具体的には以下の点が挙げられます。
●外部人材の登用::
理事・監事には少なくとも1名、法人外部から選任することが義務付けられます。これにより、組織内外からの視点を取り入れた透明性の高い運営が期待されます[1][3]。
●区分経理の義務化:
公益目的事業、収益事業等、法人運営を明確に区分して経理を行うことが求められます。これにより、財務状況の透明性が向上し、社会からの信頼獲得につながります[1].
3. 実務負担の軽減
別表Hの廃止と簡便な算出処理方法
従来、定期提出書類の中で最も難解とされていた別表Hが廃止されます。公益目的取得財産残額の算定方法については、新たな算出表(簡便版)の導入が検討されています。
これにより、計算上の誤りを減らしつつ、法人の事務負担を大幅に軽減することが期待されています。
4. まとめ
この制度改革によって、公益法人はより効率的かつ柔軟に活動できる環境が整います。一方で、自律的なガバナンスと透明性を維持するためには、新しい体制への移行準備が必要です。特に、新しい行政手続や会計処理方法については、詳細なガイドラインや内閣府令で定められる予定ですので、最新情報を常に確認しながら対応していくことが求められます。
この改革は、公益法人が社会課題解決においてさらに大きな役割を果たすための重要なステップとなります。新たな時代に向けて、この機会を活かし、一層積極的な活動を展開していきましょう。